どんな組織も主役は人間です。
時代の変化の中で「変わらなければ組織が生存できない」という
厳しい現実があらゆる組織に変革を求めています。組織が変わるためには、組織を構成する人間の行動を変えることが必要です。
人間の行動を変えるためには、
まず「心を動かすコミュニケーション」が求められます。
メッセージが相手の心に届かなければ人は行動しないのです。
私の専門は、「コミュニケーションによる問題解決」がテーマです。
私が経験してきた様々な分野の問題解決の事例と経験が、
多様な問題に直面している、いまの世の中のお役に立てることを願って
このサイトを立ち上げました。心に届くコミュニケーション、人を動かすコミュニケーションで
世の中の問題解決のお手伝いをしたいと考えています。
1−広告のコピーライターという仕事から
広告のコピーライターから始まった私の仕事は
広告主が売りたい製品やサービスを、利用者の側から見ての
魅力の発見でした。
メーカーが伝えたいことは、そのままでは消費者に届かないので
消費者の心に届くメッセージをつくることが必要でした。
しかし、広告だけでは「売れない」時代が到来して
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2−「売れない」という問題を解決する販売促進の仕事
高度成長時代が終わって、広告だけでは売れない時代が到来。
「どうすれば売れるか?」という課題が
広告制作のスタッフにも与えられて、販売促進という仕事が始まりました。
新製品発表の合同展示会や個店展示会などのプランニングや
来場者向けのゲームや来場記念品の企画などの仕事です。
販売促進の技術はすぐに各社に波及して、また差がつかないことに
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3−競合各社の製品力に差がなくなった後の、販売競争とは
一流企業の商品開発は、やがて商品間の格差を平準化してしまい
商品の力だけで競合他社に勝つことが難しい時代になりました。
競合各社の製品が、同じような性能、同じようなデザイン、
そして同じような価格となってしまったのです。
しかし販売競争には勝たなければ自社の存立が危うくなるという時代です。
では、どうするか。
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4−販売競争は販売部門の体質強化がポイント
販売組織の競争は、その組織を構成する社員の競争でもあります。
販売組織の最先端に位置するセールスマンは、高度成長時代の長い間、
ピラミッド組織の最下段と位置づけられてきました。
最下段という位置づけでは「セールスという仕事の重要性」が
当のセールスマンにも、他部門の社員にも認識できません。
そこでピラミッド型組織を逆転して考える
逆ピラミッド型組織への転換が求められたのです。
最下段から最上段へ位置づけを変えることで
セールスマンの仕事の重要性を認識できるようになったのです。
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販売競争時代の主役は現場のセールスマンだ
エピソード
城山三郎さんが訳した名著「シンボリックマネージャー」には
こんなたとえ話が出てきます。
道端でレンガを積んでいるレンガ工に「何をしているのか」を尋ねたところ
1人目のレンガ工は、「レンガを積んでいる」
2人目のレンガ工は、「建物の土台をつくっている」
そして3人目のレンガ工は、胸を張って
「教会を建てている」と答えた!
まったく同じ仕事をしていても、心に想うことが違えば
その仕事ぶりも変わってきます。
胸を張って答えられるセールスマンをどう育成するかという課題が
ここにあります。
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5−販売組織とセールスマンを活性化する<CI>という仕事
前記のシンボリックマネージャーは、
これからの経営者のあり方について言及した名著ですが、
ここではセールスマンに限らず社員にどのような夢を共有させるかという
「組織づくり」の基本が説かれています。
アメリカで開発されたCI(Corporate Identity)という概念は
組織と個人が共通の理念(=存在意義)を持つことで
組織のアイデンティティを高めて、その行動に一定方向を与え
環境変化に対処する会社をつくる方法です。
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6−墨田区役所で中小企業のCIを支援
CIの専門家として数多くのCIを経験していた私に
友人から「墨田区の産業経済課長とあって欲しい」という話が舞い込んで
担当課長だった我妻照夫さんとお会いしてみると
時代変化に直面して墨田区の中小企業が経営革新を迫られている。
CIという手法を墨田区の産業経済政策に採用したいという
お話でした。
墨田区は中小企業の町、五年間で200社程の中小企業のCIを支援
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7−中小企業大学校でCI講座を10年近く担当
墨田区以外にも中小企業の町、荒川区や北区でも産業活性化ビジョンの
策定に携わっていたところへ、中小企業庁の中小企業大学校から
中小企業のCI講座を担当して欲しいとの話があって
約10年間に亘って非常勤でCI講座を担当。
全国の中小企業の経営者・後継者、産業支援団体である
商工会議所や商工会・中小企業団体中央会の経営指導員さんや
そして行政の産業支援担当者の皆さんと出会いました。
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8−中小企業大学校で出会った全国の担当者たち
高度成長時代から低成長の時代へ、経営環境が大きく変化するなかで
CIを学んだ受講生たちから、全国の問題が持ち込まれるようになり
私の仕事は全国に広がって行きました。
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こうして地域活性化の仕事をたくさん経験することになりました。
9−行政の意識改革のニーズも一歩遅れて始まって
最初は墨田区でした。中小企業のCIで全国に名前を知られるように
なった墨田区では、新庁舎建設の機会に、
「区役所自身も変革しなければ」という声が高まって
墨田区役所のCIをCI専門家として区役所内部でお手伝いする仕事が
始まりました。
この経験が新潟県の基本理念づくりにつながり
やがて七年間も係わることになった
静岡県の広報アドバイザーの仕事につながっていきます。
静岡県では県の基本理念を明快化して県の仕事を県民の皆さんに
分かりやすく伝える、県のCIに取り組みました。
そして庁内コミュニケーションの活発化を通して、職員意識の改革や
部局理念の整備によって、全庁一貫しての仕事姿勢づくりを推進。
また県の仕事から、県立大学・県立美術館・県立図書館などの意識改革と
それらの県の組織が地域経営という視点につながることを
身を持って体験できました。
10−平行してJAPANブランド育成支援事業にも参画
平成16年から四年間、中小企業庁の新しい事業・JAPANブランドに
携わりました。事業の立ち上げ段階では、ブランドとはなにか
地域の産業振興にどう意味づけるのか、という理念構築が大きな課題でした。
現場を学ぶという意味で参画した久留米かすりの再生プロジェクトでは
現場の事情や組合単位の取り組みの難しさを学ぶことになりました。
11−マーケティング・コミュニケーション&デザイン
広告から行政の意識改革、国のブランド政策まで多様な仕事に係わってきて
共通するテーマが、「人を動かすコミュニケーション」です。
どのような課題でも、問題を解決するのは「人間の行動」です。
人を動かすコミュニケーションのためには、
そのメッセージがきちんと心に届くことが必要です。そのために求められるのが
良いコピーと良いデザインです。
これらのクリエイティブの仕事を専門にしているコピーライターやデザイナーの仕事を
重要と考える意識を、社会に広く拡げていく必要があります。
世の中のクリエイターたちを重用する環境づくりが求められています。
世の中にはクリエイターの助けを必要としている分野がたくさんあるのに
クリエイティブの業界では「仕事がなくて困っている」という状況が
依然としてあります。
こうした状況の打開こそが、新しい時代と明るい未来を拓いていくことに
つながります。
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